平成25年第3回定例会(9月議会)
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柏市が東京五輪の波及効果を享受するための方針【2013.11.20】

  2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催決定は、日本中に大きな期待と希望をもたらしました。高齢者の中には、「オリンピックを見るまで死ねない」と新たな生きがいにする人もいるほどです。行政的にも、たくさんの波及効果が考えられます。
・スポーツ振興による市民の健康増進
・ボランティア参加などによる市民活動・国際交流の促進
・交通網の整備、バリアフリー化などの社会資本整備
・経済活性化
  例を挙げれば、きりがないほどです。柏市としてもその波及効果は魅力的であろうと考え、すでに3月議会で質問を行いました(関連記事)。9月議会では正式決定を受け、改めて今後の方針を問いました。(質疑は9月17日)



――東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定した。3月議会でその波及効果をどのようにして受けるか、と質問したところ「正式決定すればスポーツを生かしたまちづくりに大きく寄与すると考えられる。迅速に対応できるように情報収集に努めていく」との答弁だった。正式決定を受けた今後の方針は。

企画部長「2002年のサッカーワールドカップ日韓大会の際に(合宿の)誘致活動を行い、複数の国に興味を持っていただいた経緯もあるので、市内のスポーツ施設を活用した事前合宿場所としての誘致や、海外から観戦に来られる方の宿泊地としての活用を考え、積極的にアプローチしていきたい。
千葉県でも観光客やキャンプ地の誘致に積極的に取り組む意向を示しているので、県と連携した施策の検討も考えられる。なお、JOCでは今後の計画は大会組織委員会により決定されるとのことなので、情報収集に今後も努めていく」

――市としては、主に経済的効果と、まちの盛り上がりなどの効果、どちらに重点を置いていくのか。

企画部長「地域の活性化につながるので経済効果も大切だが、その一点というのではなく全体を見た中で進めていきたい。経済効果だけ見ていくと厳しい面も出てくるかもしれないので、トータルで物を考えていきたい」

――開催が7年後と先のことでもあるし、東京都主体の事業ということで、情報収集など難しい部分があるが、(大きな波及効果があると)期待したいと思うので、鋭意努力していただきたい。


  言うまでもなく柏市は開催都市ではなく、施設建設や交通網整備などの直接的な事業は考えにくいでしょう。期待できる波及効果としては、やはり事前合宿招致や宿泊地として人を集めることだと思います。そして、東京五輪に地元ゆかりの選手を送り出すためのスポーツ振興も今後大事になっていくと考えます。
  政府の五輪政策を担当する文部科学副大臣には、柏市選出の桜田義孝・衆院議員が就任しました。桜田副大臣とも密に連携・情報交換をしながら、世界最大級のイベントの波及効果を柏市が享受できるように、取り組んでまいります。

■関連リンク
東京五輪と柏市=特需・波及効果をどう享受するか

いかにして「一泊」を 観光行政の課題=議会報告【2013.10.11】

柏市の特徴のひとつに、都心から非常に近いという立地が挙げられます。これは大きなメリットである一方で、柏に観光やビジネスで訪れても日帰りしてしまう、あるいは都内に宿泊してしまうという側面もあります。これは非常にもったいないことで、どうにかして柏に一泊していただき、経済活動(食事や買い物)をしてほしいところです。そこで、下記のような質疑をいたしました。

――柏市の観光行政にとって、日帰りで帰ってしまう方に一泊していただけるかどうかは、今後の課題だと思うがそのための施策はあるか。

経済産業部長「本市ではスポーツ観戦や音楽イベント、手賀沼などの自然環境、旧吉田家住宅なの史跡や文化施設といった観光資源がある。また、近隣市にはあまり宿泊施設がなく、ビジネスマンやイベント開催時の宿泊客はある程度、確保できていると考える。しかし都心から近いということで、観光客の多くは都内に宿泊しているとも思われる」


状況の分析は、市としてもしっかりできている印象です。そして、ここでのライバルは近隣市ではなく、東京であることも理解しているようです。

経済産業部長「駅周辺は個性的な飲食店、物販店も多く、商業地域としてのポテンシャルは高い。市内には観光の見どころも数多い。これらを組み合わせた観光プランの提案や情報発信を行うことで、宿泊客を呼び込むことも可能だと考えている。例えばサッカー観戦をしたあと、柏駅周辺の飲食店を利用し、市内ホテルに宿泊するといったように、複数の観光資源を組み合わせることによって、宿泊客の増加が期待できるのではないか。また、それにより中心市街地の活性化にもつながると思う」

例に挙がった「サッカー観戦パック」のような割引制度は、オーソドックスですが効果がありそうな施策です。泊まっていただけないまでも「食事をしていこう」という人も増えそうです。こうした具体的な答弁が出ることは、素晴らしいことです。
さて、答弁にもあるように、柏市内には観光スポットがないわけではありません。しかし、柏で観光と言われてもいまいちピンとこないのも事実です。まずは情報発信を強化し、「柏にはこんな楽しいところがあるんだよ」というアピールが必要です。それを駅前のにぎわいとミックスさせ、魅力あるまちをつくることが「柏に泊まろう」という気持ちにつながると思います。今後、どういった方法があるのか、研究して参ります。

印象を大きく左右する施設 公衆トイレのあり方=議会報告【2013.10.8】

みなさんは、出先でトイレを利用した際に不潔で悪臭がしたらどう感じますか? 積極的にもう一度行きたいとは、なかなか思わないのではないででしょうか。トイレは、人の印象を大きく左右するものだと私は考えています。そこで、市外から柏市を訪れる人も含めて、玄関口である柏駅前などの公衆トレイについて市の考え方を質しました。

――トイレは人の印象を大きく左右する。柏駅前を含め、市内の公衆トレイは常に清潔にしておかなくてはならないと思うが、市の考えは。

経済産業部長「公衆トイレは市民が利用する施設であり、来街者にとっても柏の印象に影響を与える場所だと考える。観光の視点から見た場合、先日、(森田健作)千葉県知事も『清潔なトイレがおもてなしの基本。多くの方に足を運んでもらうためには、観光地のトイレや整備を進めるべき』と発言したように、観光客に安心と快適性を提供するものだと思う。現在、柏駅前や公園などに設置しているが、老朽が進んでいるところ、いたずらにより汚されてしまっているところもある。費用もかかることから早急な整備は難しいが、来街者からのイメージアップにつながるものと考え、維持管理方法を含めて地元の方々や商店会など関係者を交えて、ふさわしいトレイはどのようなものか検討しいく」


森田知事がこのような発言をしていたなんて、私は知らなかったのですが、全県的にトイレを整備する流れができればすばらしいと思います。一方で、現在の柏駅前公衆トイレは東西ともにきれいとは言い難い状況です。森田知事の言う「おもてなしの基本」が柏市の玄関口で出来ていないなんて、恥ずかしいことだと思います。市内各所の観光施設、公園、繁華街などを気持ちよく利用してもらうためには、今後も清潔な公衆トイレ整備を目指して参ります。

安定した保育環境の整備に向けて 保育士の入れ替わり問題【2013.10.4】

  9月上旬、ある市民から「子供が通う私立認可保育園では、退職などによる保育士の入れ替わりが激しく、子供の情緒や発育の面でもとても心配だ」という相談がありました。担当部課に確認したところ、行政としては、
・法的に認可保育園の要件をすべて満たしている(違法性がない) 
・「職業選択の自由」の観点から、退職するしないを選ぶのはあくまでも保育士本人であり、行政の関知するところではない 
  以上2点から、法的な対処は難しいとのことでした。しかしながら、それでは保護者の方の安心、また子供のためにもならないということで、今後の対処法を本会議にて質しました。

―― 一部の私立認可保育園では、保育士の退職・採用による入れ替わりが激しく、安定した保育環境が整わないとの懸念の声が聞かれる。これについて、市としての考え方は。

こども部長「私立認可保育園の保育士の退職・採用等は、運営する社会福祉法人等が直接行っている。認可保育園の整備・運営について定められた基準は、『児童数に応じて保育士を何人以上配置しなくてはならない』という規制はあるが、その退職や転園などによる入れ替えに関しては規制がない。
  しかしながら、私立認可保育園の保育理念や目標に基づき、各保育園の独自性や創意工夫が発揮されるものだとしても、保育士の交代が頻繁にあり子供の情緒が不安定になる場合には、違法ではなくても望ましいものではないと考えている。したがって、そのような場合には運営者から保育士が交代する理由等を聞き取りするなどしたうえで、より良い保育環境が維持されるような働きかけを行っていく」


  前述のとおり、違法な運営を行っているわけではないため、法的強制力はないものの、すでに市では該当保育園の運営会社に対して状況改善を行うように要請をしております。運営会社も「苦情処理体制の強化」「保護者会の実施」等を行い、改善に向けて努力をするということです。この件に関しては、今後も議員として目を光らせ、いち早い状況改善を要請して参ります。


動き出した16号バイパス事業、柏市が先頭に立ち実現を【2013.10.3】

かねてから取り上げてきた国道16号バイパス事業ですが、前議会から今議会の間に大きな動きがありました。国が調査費を予算計上し、事業化に向けた協議が再開されました。つまり、民主党政権によって凍結されていた同事業が再び動き出したのです。そこで、その動きを加速させるために、関係自治体の中でも柏市が先頭に立ってほしいという願いを込め、下記のような質疑を行いました。

――国道16号バイパスについて、国は調査費を付けて協議も再開されたが、柏市は協議の内容に対し賛成、協力していくのか。方針を示してほしい。

市長「先月再開された千葉柏道路検討会では、現在の国道の渋滞状況を踏まえつつ、(凍結前に示された)利根川沿いのルート(詳細=国土交通省千葉国道事務所)が渋滞緩和策に有効だと再確認した。今後は、具現化に向け、さらに検討を進めていくことになる。国道16号の渋滞問題は、柏市としても最重要課題のひとつと位置付け、関係自治体や国、県と協力して懸命に対策に努めていく。県内13市で構成する促進期成同盟会でも、事業化に向けて要望を続けていく」

――利根川沿いのルートがかなり有力だということは、私も聞き及んでいる。しかしながら、いざ事業化になれば調整点も出てくると思う。スムースな実現に向けて、促進期成同盟会の会長でもある市長にリーダーシップを発揮していただきたい。

市長「16号の渋滞解消には極めて効果が高い事業だと思っている。議員ご指摘の通り(用地買収や環境のアクセスなど)困難な課題もあろうが、近隣市町村や国、県と協力し推進に努力していく」


利根川沿いのルートは、凍結以前から示されてる最有力候補です。事業化も、現時点ではこのルートで決する可能性かかなり高いとわが党国会議員から聞き及んでいます。市長からは2度も「関係自治体や国、県と協力して」と答弁がありました。広域行政の難しさを垣間見る発言ではありますが、このバイパス事業は市長の答弁にもあるように、柏市積年の課題である16号の渋滞解消には不可欠。そして、関係自治体にとっても大きなメリットをもたらす事業です。関係自治体の先頭に立ち、事業の動きを加速していけるように、今後も働きかけてまいります。



■関連リンク
国道16号等、千葉北西部の交通の円滑化を目指して(国交省)
16号バイパスと渋滞対策=議会報告

秋山市長、2期目の重点政策は?【2013.10.1】

秋山浩保市長(1期)が、現任期における最後の議会となる9月議会(6~30日)冒頭で再選を目指して11月の市長選挙(3日告示、10日投開票)に出馬することを表明いたしました。市長選挙はわれわれのまちの行政のトップを選ぶ、いわば今後の柏市の未来を占う重要な選挙です。そこで現職候補となる秋山市長が仮に再選を果たした場合、優先して行っていく施策・取り組みについて質疑を行いました。


■「経済的に強いまちをつくっていきたい」

――11月の選挙で仮に再選を果たした場合、市長が優先的に取り組んでいく事業・取り組み何か。いくつか具体的に挙げていただきたい。

市長「すべてにおいての前提として、まず経済的に強いまちをつくっていきたい。それはつまり、人が住み、集まるまちだと思っている。そのためにも駅前や開発途中のつくばエクスプレス沿線、手賀沼などを活用したまちづくりを今後、行っていきたい」


柏の特徴は駅前の繁華街、都心に近い住宅環境などの都市的な部分と、手賀沼をはじめとする自然資源・観光資源が共存しているところです。それを生かして人を集めていこうという発想は、まちづくりの“王道”のように思えます。私はこれまで、「「人間社会において最大のエネルギーは『人』だ」という理念で政治活動を行ってきました。秋山市長はそれを「経済的に強いまち」という表現をしました。具体的な施策は今後示されるとのことですが、基本的な考えに私も賛同いたします。


■「豊四季台プロジェクト」の実態化を目指して=高齢化社会対策

市長「その強い経済力を背景に、ソフト面でも様々な施策を行っていきたい。特に教育、公立小中学校に対して一層の投資を行い、子供たちの学習環境を強化したい。また高齢者に向けた施策として、現在豊四季台地域で行っている様々なプロジェクト、地域包括ケアシステムに関して、実態のある体制をつくるべく取り組んでいきたい」

昨今、教育と福祉は行政の大きな課題です。その中で、市長は学習環境の強化と高齢化社会への対応を重点政策に挙げました。特に、豊四季台地域で行っている通称「豊四季台プロジェクト」は在宅医療・福祉を推進するプログラム。国からも先進都市としてモデルとして指定されており、全国的に注目されています。これを全市的に実施できるようにしていきたいところです。柏市だけでなく日本の高齢者施策のカギを握っているともいえる事業だけに、私も力を入れていくべき事業だと考えております。

選挙直前の議会における私の質疑の中では、以上のような方針が示されました。今後、秋山市長自身からより具体的に政策等が発信されるかと存じますので、ご注目ください。そして、棄権することなく選挙にご参加いただき、柏市の行政のトップを皆様の手でお選びいただきますようお願い申し上げます。


再選を目指す秋山市長

2度目の公園除染について=議会報告【2013.9.22】

  西原地域の中でも利用者が多い公園である西十余二第一、第二公園で除染工事を行っています(工期は10月31日までの予定)。第一公園で震災後早々に除染を行ったことを覚えている方もいらっしゃることでしょう。「なぜ2度目の除染を行っているのか?」「安全だと思って利用してたけど大丈夫なの?」といった戸惑いの声も聞かれますので、市議会本会議において当該公園が2度目の除染に入った理由と健康被害への考え方を質問いたしました。以下は柏市執行部との質疑の要旨。

■なぜ2度目の除染を行っているのか
――西原地区にある西十余二第一、第二公園で除染工事を行っている。これは2度目の工事となるが、1回目と2回目の違いは何か。
都市部長「ご指摘の公園については、柏市除染実施計画を策定する前の平成23年に高線量が測定された箇所や子供の遊ぶ場所を優先して除染を実施した。その後、(国の方針等に沿った)除染基準を明確にした柏市除染実施計画が定められ、市内全公園の中で、線量が高い公園を優先して除染工事を実施してきた。当該2公園については、本年8月測定した51か所のうち6か所で基準値の0.23マイクロシーベルト(毎時=以下同)を最大0.04ポイント上回ったので、除染計画に基づき全面的な除染を行っている」

柏市除染実施計画では、すべての学校や市管理の公共施設・公園等で国基準(毎時0.23マイクロシーベルト)以下にすることとしています。西十余二第一公園の場合もわずかながら上回る箇所があったため、2回目の除染を行っているとの答弁でした。震災後すぐに行った1回目の除染のおかげで、全体の線量が大幅に下がったため、市内のほかの公園を除染した後に2回目の除染をすることになりました。

現在の西十余二第一公園の様子

■健康へのリスクは?
――これまで普通に使っていた公園が(除染のために)急に立ち入り禁止になれば、当然利用者は不安になる。健康被害については問題ないのか。
都市部長「(可能性という観点からすれば)まったく問題ないとは言い切れないが、基準値0.23マイクロシーベルトに対して、最も高いところで0.27マイクロシーベルトとわずかながら基準を上回っていたということと、51か所のうち6か所と全体に広がっていたわけではないということから、健康に対するリスクについては非常に低いのではないかと考えている」

公園内に局地的に基準値を超える箇所があったものの、大幅に超えているわけではなく、そこに長時間とどまっているわけではないため、全体の被ばく量としててリスクは少ないという見解です。研究によってDNAの修復能力は、毎時10ミリシーベルト(1万マイクロシーベルト)まで問題ないことが分かっています(注)。そのため、最大で毎時0.27マイクロシーベルトならば、公園を日常的に利用した場合でも健康リスクはなかったと解釈できると思います。

身体的な健康リスクがないとはいっても、放射能に関してはいろいろな考え方があり、その中で国の基準、柏市の除染計画が定められました。それを遂行することは、行政としての責任です。また、理屈ではなく除染を行うことで市民の安心につながるという側面もあると思います。工期中はご不便をおかけしますが、ご理解を賜りたく存じます。

注……1998年、フランス医学アカデミーのモーリス・チュビアーナ氏の研究。2007年にマリー・キュリー賞受賞。

■関連リンク
柏市除染計画

質問通告内容

9月17日13:00~一般質問を行います。
本日、執行部に通告した内容は以下の通り。
 
1、市長の政治姿勢について
(1)4年間の総括と今後の方針

2、企画行政について
(1)イメージアップ推進事業
(2)東京オリンピック

3、保育行政について
(1)待機児童解消アクションプラン
(2)幼稚園・保育園の在り方

4、交通・道路行政について
(1)国道16号バイパス
(2)私道整備

5、防犯・防減災対策について
(1)学校周辺、通学路の安全確保
(2)公園の除染
(3)災害時の議員の行動

6、スポーツ行政について
(1)市運動施設の利用料金と利用時間
(2)スポーツをする場所の確保
      ・高架下、倉庫軒下などの有効活用

7、観光政策について
(1)公衆トイレの整備
(2)宿泊施設の充実化

8、市長選挙について
(1)投票率向上に向けて
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