平成28年第1回定例会(3月議会)
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東京五輪に向けた取り組みの深化を=議会報告

――東京五輪に向けた取り組みについて伺う。現在トップアスリートを招いた講演会など、スポーツに対する関心を強めるような取り組みを行っているが、東京五輪に柏市から選手を送り込もう、あるいはキャンプ地を誘致しようという、そういった取り組みまで考えているのであれば、ほかの自治体におくれをとっているという印象を拭えない。例えば静岡県三島市では、優秀なアスリートの発掘を目指して市がスポーツアカデミーを設立させた。また、全国知事会では、合宿誘致のデータベースを運用しており、昨年10月の段階で400以上の団体がこれに参加をしてキャンプ地の誘致を目指している。柏市でも東京五輪をどのような形で迎えるのか明確にし、取り組みを深めていかなくてはならない。市は今後どのような方針で東京五輪に向けての取り組みを行っていくのか。

教育長「東京オリンピックに向けた教育委員会としての取り組みは、議員の御質問にもあったように、小中学生を対象にオリンピックに参加した金メダリストによる講演会であるとか、トップアスリートによるスポーツ教室を昨年から開催しており、これは2020年まで毎年実施していく予定だ。また、県民体育大会や全国大会、国際大会に出場して活躍している個人や団体に対して、奨励金を交付して側面的に援助する、アスリートの育成を支援することも行っている。本年度からはJOC、日本オリンピック委員会主催のオリンピック教室が千葉県内でも開催されるということにったので、県に対して柏市でも実施していただけるように申請をしている。
   議員から情報提供いただきました三島市で実施しているジュニアスポーツアカデミーは、将来オリンピック、パラリンピックなどの国際舞台で活躍できる候補生の育成に取り組んでいると伺ってはおりますが、このような取り組みを行うには、競技スポーツに精通し、そのレベルで指導できる指導実績のある指導者やスポーツ団体、またトレーニングができる施設などの環境が整っている必要がある。本市で実施するのにはちょっとハードルが高いかなとは考えるが、柏市体育協会や各競技スポーツ団体に情報提供していくほか、さらに情報を収集して可能性を探ってみたいと考えている。教育委員会としましては、引き続き子供たちを対象にしたトップアスリートによる講演会や実技指導など、側面的支援に努めていく」

――講演会などの実施自体は非常に意義のあることだと思うが、それはオリンピックうんぬんというよりはもうちょっと前の段階で、スポーツ全体の振興という話で取り組むべきものだ。柏市が東京オリンピックでどういう効果、たくさん人が来てもらうようにするためにはこうするとか、柏市への地元愛というのを育てるために選手を送り込むんだとかという話を(具体的に)するのことが重要だと思う。オリンピックに向けて、柏市はこういうことをやりたい、と深いところで集中的に事業を始めていく、絞っていく段階に入ったと思うが市の考えは。

企画部長「柏の中でオリンピックをどう捉えていくかについては、いろいろ(考え方が)あるが、どちらかというとオリンピックを契機に柏の力を出していこうということだと思います。その中では、やはり柏の施設などをできるだけ使うような形でPRをしていくと。ただ、そうはいっても最終的にかかる資金というものがあるので、その辺は市だけではできないということもありますので、地域と一体となって検討していきたい」

平成28年3月8日 同年第1回定例会一般質問より

■関連リンク
柏市が東京五輪の波及効果を享受するための方針=議会報告

組体操の不実施方針に対する考え方

――(公立小中学校での)組み体操の不実施方針についてお伺いする。主に危険性を理由に、体育祭等での組み体操は行わないと校長会で決定して、それを教育委員会が追認をする形で今回決定したと伺っているが、現場でそういった判断がされたということは尊重すべきなのかな思う。しかし、一方で児童生徒の体力の低下が問題視されている中で安易に中止にしてよいのかという意見ある。まず、長年続けられてきたこの組み体操、どのような効果を狙ってやってきたものなのか。また、それにかわり、同じような効果を期待できる競技としてどのようなものが考えられるのか。

教育長「社会的に大きな関心を集めており、教育行政方針においても追加報告をさせていただいた。平成27年11月ころより情報の収集や検討を重ね、最終的な判断に至った。御質問にありました組み体操の効果、長年実施されてきたんだけれどもというお話については、ピラミッドや塔、あるいはそれぞれの演技種目は、児童生徒が繰り返し練習しながら互いを信頼して完成していくという、そういった特性を持つことから、児童生徒の一体感、達成感を実感することをもって教育的効果というふうに捉えてきた。今後それにかわる種目が考案されるのかどうかは、各学校工夫して取り組んでいきたいと申しているが、比較的組み体操と類似の種目で考えると、創作ダンスのようなものを取り入れたり、表現活動、あるいはマスゲーム、集団演技といったようなものが考えられる」

――もう一点、授業での武道の履修が必修化された際には、同じように危険性が議論された。そんな中、さまざまな対策を練って実施を決定した経緯がある。国の決定であるということで今回と事情は異なるが、整合性というか、実施する、しないのところに考え方に違いがあるのかどうか。

教育長「武道と今回の組み体操の安全に対する対応の違いは、武道は学習指導要領に定められた男女必修の領域で、学習指導要領に定められたということは、実施することが法的に義務づけられているということだ。したがいまして、ガイドラインの作成や講習会等に取り組み、安全に配慮しながら実施できるように指導、助言をしている。これに対して組み体操は、各学校の裁量で実施されている特別活動の中の体育的行事、例えばマラソン大会や運動会、縄跳び大会など、その体育的行事のさらにその中の一種目、組み体操をやるとか障害物競走をやるとか、あるいは借り物競走をやるとかという、その中の一種目なので、本来各学校がそれぞれ工夫して決めればよい性質のものだ。したがって、今回市内小中学校同一歩調で組み体操は実施しないとした現場の校長先生方の判断を支持することとした。また、この春にも運動会を実施する小学校が市内で小学校の約半数を占めているので、年度内できるだけ早い時期に教育委員会としての判断を示すようにした。
  議員の御質問の中にあった運動能力の低下の問題というのも確かにある。運動会、体育祭の種目やその練習でこの問題をカバーするというよりは、第一義的には保健体育の授業や学校全体の教育活動の中でそのことはしっかり取り組むべきものと考える」

平成28年3月8日 同年第1回定例会一般質問より

マイナンバー制度の有効活用

――群馬県前橋市では、マイナンバー制度の個人番号カードを利用して、子供の健診情報あるいは予防接種の履歴などをパソコンやスマートフォンで確認できるサービスを開始したとのことだ。子育て分野に限らず今後さまざまな分野でマイナンバー制度の有効活用をしていくべきと考えるが、市の見解は。

企画部長「御質問にありました取り組みは、健診記録などが電子化された母子健康情報サービスについて、本人確認の手段としてマイナンバーカードに登載されてる公的個人認証の仕組みを利用するものだ。この承認サービスは、初めて国の認定を受けた民間事業者が行うもので、今後の民間利用を進める上でも注目されいる。
  マイナンバーカードを活用するメリットとして、本人確認の際に従来のIDやパスワードと併用することで格段に高いセキュリティー性が実現できるとともに、本サービスが提供されていれば、共通の認証手段となるので、転入または転出した際にもさまざまな記録が引き継がれるということが挙げられる。こうしたことから、国でも公的個人認証の活用については、個人番号カード・公的個人認証サービス等の利活用推進の在り方に関する懇談会などを設置し、民間での活用も含めて積極的な活用に向けて検討を進めている。
  市といたしても、公的個人認証の仕組みによるマイナンバーカードの活用については、ICチップの空き容量を利用する方法と比較して、カードの交付時や転出入時等に別途カードやアプリケーションを設定または削除する手続が不要であることや、条例で制定する必要がないなどのメリットがあるので、有用であるものと考えている。このため、この仕組みを活用したコンビニ交付を本年10月から開始する方向で準備を進めている。マイナンバーカードの活用によるサービスの向上に伴いカード普及が進めば、さらに行政事務の効率化が図れるなど相乗効果に期待が持てる。今後もカードの活用については、国における検討や先行事例の動向、カード自体の普及の状況を見守りながら引き続き検討していく」

平成28年3月8日 同年第1回定例会一般質問より

「振り込め詐欺対策条例」制定へ(4)=議会にて可決成立

  平成28年3月議会において、「柏市振り込め詐欺等被害防止等条例」が可決、成立しました。私は、平成27年6月議会から制定まで議会質問などを通し、市執行部との議論を深めてまいりました。この項では、可決直前の平成28年3月議会での質疑について、その要旨を掲載します。

――今般上程された議案でございますが、振り込め詐欺は非常にむかっ腹の立つというか、大変こそくな犯罪であり、条例が有効に活用されて被害が減ることを心より願っている。条例の詳細については、昨年の6月議会から何回かにわたり伺っているので、今回はこの条例の根本である基本理念について、確認の意味でいま一度お示しいただきたい。

総務部長「まず条例を制定するに至った経緯は、平成26年7月に実施しました詐欺被害に関するアンケート調査の結果報告書の中で、市、警察及び事業者等が一丸となって(振り込め詐欺対策に)取り組むための条例を制定する必要がある旨の提言があったこと、さらには金融機関からも強い要望があったことから条例の制定の検討に至った。また、条例の理念ということでは、市、警察、事業者及び市民等が一丸となって振り込め詐欺等の被害防止に努めることと、被害者の支援等を行うことにより安全で安心な市民生活に寄与しようとするものだ」

――条例が有効に活用されて被害が減っていくというのが一番望ましいことだが、先進の自治体、市町村では初めての条例制定なので県になるが、岡山県などを見ても条例をつくったから被害額が必ずしも減るわけじゃないという状況があるが、その辺の考えは。

総務部長「議員の御指摘のとおりで、条例をつくったからといって防止できるわけではないので、我々としては今回の防止条例を制定した上で、これをきっかけにして関係団体等が一丸となって防止体制に取り組んでいくという、そういう姿勢をつくっていくことが大事かなと、そのように考えている」

――市全体、市民全体、また関係業者、関係の各位の中でそういう雰囲気が醸成されていくための条例だと理解している。きちんと県警などを含めて協力しながら、条例が生かせるようにお願いいたしたい


平成28年3月8日 同年第1回定例会一般質問より

■関連リンク
「振り込め詐欺対策条例」制定へ(3)=啓発活動、警察との連携
「振り込め詐欺対策条例」制定へ(2)=平成27年9月議会
「振り込め詐欺対策条例」制定へ=議会報告

適正な債権管理を=柏市債権管理条例

――議案第9号、柏市債権管理条例の制定についてお伺いする。市の債権を適正に、また効率的に管理することは大変重要だ。また、本議案の趣旨である事実上回収が不可能な債権の管理事務コストを削減していくことは、財政運営上の観点からも必要不可欠なことであろうと認識している。しかしながら、自治体の運営費はもともとは市民の皆様の税金であり、本来入ってくるはずだった債権を放棄するということは、非常に重いことなのではないかと考える。本議案の必要性は十分に認識をしているつもりだが、債権管理、安易な債権放棄とならないようなきちんとした条例運営を望む。

財政部長「債権管理条例は、統一的な債権管理を行い、法令等に基づいて確実な回収に努めるという基本姿勢を明確にするとともに、徴収が事実上不可能な私債権については、一定の要件のもとに議決を要さずに放棄できることにより、債権管理の適正化と事務の効率化を図ることを目的にしている。条例制定により安易に債権放棄が行われ、市の財源確保に影響が及ばないかとの御質問だが、水道料等私債権は市税等の公債権と異なり、時効が完成しても債務者が援用しなければ債権が消滅しないため、所在や財産が不明で回収が見込めない債権であっても継続的に管理している実態がある。このため、私債権について定型的な事由に該当した場合に限り債権放棄を可能とし、実質的に回収見込みがない債権の管理に係るコストの削減を図り、適正な債権管理を行っていくものだ。
  議員御指摘のとおり、安定的な市民サービスを提供していくための自主財源を確保するとともに、期限までに納付した市民との公平性を確保するため、市の債権をしっかり回収していくということは大変重要であると認識している。また、自治体の債権管理のあり方が示された近年の最高裁の判例では、客観的に存在する債権を理由もなく放棄したり、免除したりすることは許されず、原則として地方公共団体の長にその行使または不行使についての裁量はないとされるなど、適正な債権回収を怠ることは法的リスクが高まっており、まさしく債権管理の責任が問われている。このため、時効管理を徹底するとともに、早期の納付相談や債権補填などの適切な債権管理を行い、債権の放棄を最小限にするよう努めていく」

※議案9号柏市債権管理条例の制定については賛成多数で可決

平成28年3月8日 同年第1回定例会一般質問より

■関連リンク
平成28年第1回定例会議決結果一覧

「柏たなか交番」設置に向けて

――つくばエクスプレス沿線において、千葉県内で交番がないのは柏たなか駅だけとなっている。同駅は近隣の人口、また駅利用者もふえつつあり、周辺の治安維持の観点からも交番の設置が必要だと考えるが、県や県警との協議など現在の状況は。

総務部長「交番の新規設置については、その管内の事件、事故の発生状況等の治安状況、また面積、人口、世帯数、今後のまちの発展状況、既存の交番との距離などを総合的に勘案し、必要性の高い地域に配置されるとのことだ。こうしたことを踏まえると、柏たなか駅周辺については将来的には交番設置の可能性が高い地域であると思われるので、早期実現に向けて今後とも千葉県警察本部には積極的に働きかけてまいりたいと考えている。また、あわせて候補地の選定についても、柏警察署及び庁内関係部署とも協議してまいりたい」

――(柏たなか駅への新規設置で)近隣の交番、花野井交番や船戸の駐在所、キャンパス駅前交番投に影響はあるのか。


総務部長「今御指摘のあった花野井交番との直線距離が1.8キロ、船戸駐在所でも直線距離が1.4キロということで、ある程度は離れているので柏たなか駅に交番設置するとことについては特に問題はないと考えている」

平成28年3月8日 同年第1回定例会一般質問より

■関連リンク

柏の葉キャンパス駅前交番の早期設置に向けて=議会報告(1)
柏の葉キャンパス交番新設への状況=議会報告(1)
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