Home > 議会報告(2017年~19年) > 2018年3月議会

スポーツ行政を市長部局へ移管 学校体育は教育委員会で

――ホームタウン事業の管轄が協働推進課から秘書課に移管されましたが、これについての経緯、また理由は。

市長「協働推進課は、市政の市民参画の推進を図るために平成23年度に地域づくり推進部を新たに設置したのにあわせて設置した部署であり、協働の推進を軸として男女共同参画、ホームタウン、国際交流の各事業を有機的に結合し、一体的に進めていくことをその設置の狙いとした。今年度で協働推進課を設置してから7年が経過し、この間柏市民大学の開設やWe Love Kashiwaキャンペーンの実施などさまざまな事業の展開を通じて市民参画の推進を図り、一定の成果を上げることができた。
一方で、協働推進課が多様な分野にわたる事務事業を所管することで業務負担が大きくなり、当初の目的である市民参画の一層の推進を図るという点から見ると効果的な体制となっていない。そこで、協働推進課について協働事業に特化した組織とするため、組織のスリム化を図るとともに、これまで協働推進課が所管していた地域づくり推進部の筆頭課の機能とホームタウン事業を同じ部内の秘書課に移管することとした。今後協働推進課では公共分野におけるさまざまな課題に市とともに取り組む新たな担い手の発掘、育成を進めるために協働に関する職員の意識改革や情報発信の強化などに重点的に取り組んでいく。
  なお、ホームタウン事業については、来年度新たに筆頭課となる秘書課を中心に地域づくり推進部全体で取り組んでいく考えだ。また、ホームタウン事業の今後のあり方は、現在、平成31年度にラグビーワールドカップ、またその翌年度に東京オリンピック・パラリンピックといった大きなスポーツイベントの開催を控えており、ホームタウン事業を含めたスポーツを生かしたまちづくり施策を市としてどのように展開し実施していくべきかを検討する時期にあると認識している。地方教育行政の組織及び運営に関する法律では、自治体におけるまちづくり施策の一体的な推進に資するために条例を定めることで教育委員会で所管するスポーツ行政を市長部局に移管することが可能とされており、現在多くの中核市、48市のうち32市が市長部局でスポーツ行政を所管している状況もある。本市においてもこのたびの協働推進課における業務の再編を一つの契機として、現在教育委員会で所管しているスポーツ行政を市長部局に移管し、ホームタウン事業と一体的に進めていくことについて具体的な検討を行っていきたい」

――スポーツの分野を市長部局のほうに移すことを検討していくとのことで、そのほうが良いと私も思う。体育とスポーツ、別の考え方が必要なので、具体的に検討を進めていってほしい。その場合、学校の体育は引き続き教育委員会で見ることになるということでいいか。

企画部長「そのとおりだ」

――(岡山県)姫路市では、やはり市長部局にスポーツ関連を移した。体育だけ、学校に関することだけ教育委員会でやっているが、うまくいかない部分もあるとのことだ。スポーツは市長部局で所管するほうが民間との連携などはスムーズにいくと思う。検討をお願いしたい。

平成30年3月7日 同年第1回定例会一般質問より

自動運転で地域循環交通、実現なるか

  高齢化社会の問題点のひとつに、交通手段の確保があります。その中で様々な手段が議論されていますが、柏の葉にキャンパスを構える東京大学では、自動運転技術の研究を行っており、その実用法として無人バスの運行が挙がっています。まずはキャンパスを構える柏の葉地区での実施を目指していくことになりますが、まだまだ研究途上であり、課題もありますが、実現に至れば地域の利便性向上に貢献することは間違いありません。この研究に対する市の関わり方について、質疑いたしました。以下はその要旨。

――民間主導で進めている柏の葉地区での地域循環交通に関して、現在の状況と市の立ち位置、かかわり方は。

土木部長「29年度末までに策定を進めている柏市地域公共交通網形成計画において、地域状況に応じたバス路線の再構築として柏の葉キャンパス駅周辺の利便性向上を図るため、地域内循環交通の強化を政策として挙げている。これは、民間主導で新たな技術の活用として自動運転バスの導入を目指して検討していくものだ。技術的課題も大きく、路線を限定した取り組みから始めていくものと想定されるが、新技術が実現し、地域内交通へ展開できることを期待して、市としてもこの取り組みを支援していきたい」

平成30年3月7日 同年第1回定例会一般質問より

【柏たなか交番】県・市ともに「必要」

――柏たなか交番の設置について進捗状況は。

総務部長「柏北部東地区の区画整理事業の進展により、柏たなか駅を中心とした地区の人口が年々増加し、今後はさらに柏たなか駅周辺の利用者の増加が見込まれることから、犯罪発生件数の増加についても危惧される。そのような中、市ではこれまでも地域の犯罪情勢を示した犯罪発生マップの町会等への配布や通称サポカーによる巡回広報の実施など、地域の方々の御協力をいただきながら防犯対策に取り組んでいる。また、千葉県警察本部から現役警察官に出向いただき、警察機関との連携を図りながら地域の犯罪抑止に努めている。
  柏たなか交番につきましては、市としても設置の必要性については認識している。また、千葉県警察本部でも柏たなか駅周辺は新興住宅街であり、人口の増加等から将来的に交番、または駐在所の設置を検討する必要がある地域の一つであると認識していると聞いている。残念ながら現在のところ具体的な進捗はないが、柏たなか駅周辺の安全、安心の実現のためあらゆる機会を通じ引き続き交番の早期設置に向けまして柏警察署、千葉県警察本部に対し積極的に働きかけてまいりたい」

――前(平成29年第1回定例会)に質問した際には、候補地の選定をこれから警察署としていくとの答弁だったが、そちらの進捗は。

総務部長「まだ設置するという話がなく、今はしていないが、そういった情報を共有しながら遅れないように警察署、あるいは庁内の関係部署としっかりと協議をしてまいりたい」

――もう一点、近隣には花野井交番と船戸駐在所が既存している。当時(同)は問題ないという答弁だったが、将来的には(柏たなか駅前に)交番が建つと思う。そのときに近隣の駐在所や交番から警察官の数が減ってしまうといったしわ寄せが懸念されるが、その辺の協議を(警察側と)しっかりしていただきたい。

総務部長「柏たなか駅の新しい交番のことも重要であるし、地域の防犯対策ということについては、今議員おっしゃったとおりある点のほうが充実してある点のほうがおろそかになるということは、問題と認識しているので、あわせて警察署にはそういったものも申し入れて、しっかりと対応していきたい」

■関連リンク

「柏たなか交番」設置に向けて(平成29年第1回定例会)

エンディングノートの活用を=終活支援

――島根県松江市では延命治療の希望の有無や介護に関する要望事項などを記した終活支援ノートの作成、また配布を始めたとのことだ。独居の世帯がふえている同市では、これによってアパートの大家や民生委員等、見守り活動をしている方々からの遺族への連絡がスムーズになって、本人だけではなくて家族の安心にもつながっているとのことだ。柏市ではどのような取り組みを行っているか。

保健福祉部長「終活とは高齢者などが自分自身の人生の最後について考えることや活動をいうが、一般的に普及し始めているのがご紹介のエンディングノートなどによる意思決定支援だ。柏市では、柏市社会福祉協議会が作成した『わたしの望みノート』がございます。この望みノートは、もともとは身寄りのない高齢者の支援のために東京大学や柏市医師会などの関係者のご協力によりつくられたもので、赤い羽根共同募金の財源を活用して希望する市民の皆様に無償で配布をしている。現在研修会や出前講座を通じて望みノートの普及、啓発に努めており、昨年度は延べ800人以上の市民の皆様に研修会などに参加いただいた。
また、この望みノートは、地域包括支援センターやケアマネジャーなどの介護職、在宅医療にかかわる医療スタッフにも広く認知され、活用いただいている。望みノートは、自分の気持ちを整理し、これからの人生をいかに自分らしく過ごすかを考えるためのツールだ。内容はご自身の健康、医療や介護、相続のことだけではなく、これまでの人生を振り返りながら自分がこれからやってみたいことや挑戦したいことなども記入いただけるものとなっている。このようにノートを作成する中で、ご家族や友人などご自分の身近な人たちとのかかわりを見詰め直すきっかけになるものと考えている。また、ひとり暮らしの高齢者にとりましては、ご自分の意思を周囲の方々に伝える有効な手段だ。高齢者お一人お一人がこのような身近な人たちとの関係を意識することにより、孤独死などを未然に防ぐ一助にもなるものではと期待をしている。柏市としても、高齢者が最後まで自分の意思で納得できる生活が送れるよう関係機関等と連携し、必要な体制の整備と支援に努めていく」

平成30年3月7日 同年第1回定例会一般質問より

柏の葉地区の新地域子育て支援拠点の状況と今後の展開

――平成29年の9月議会の質問の中で、青少年センターの一部を活用した地域子育て支援拠点を29年の11月の事業開始に向け、準備を進めているとの答弁があったが、きちんと機能しているか。

こども部長「ご質問にございました『はぐはぐひろば若柴』は乳幼児親子への支援を目的として29年11月から事業開始したもので、保育園併設型ではない単独型の地域子育て支援拠点としては、28年度に開設したはぐはぐひろば沼南に次ぐ市内2カ所目の施設だ。当該施設においては、来場された親子同士が施設の利用を通じて学び合い、支え合う関係性を築けるよう専門のスタッフがサポートし、保健所等の関係する機関とも連携しながら子育てに関する情報提供、育児講座、育児相談などを実施している。事業の一例として、同じくらいの月例の子供同士の交流を望む保護者が多いことから、生まれてからハイハイをするまでの子供を対象とした『ハグハグたいむ』やハイハイができるようになった子供が集まる『ハイハイたいむ』など、年齢に合わせた親子の触れ合い遊びや保護者同士の座談会などの事業を定期的に用意し、地域における親子との交流のサポートに取り組んでいる。
利用者は、設置からこれまでの4カ月で約2,000組、4,500人を超えている。また、これまでの利用者の状況を見ると、約65%が北部地域にお住まいの方で、特に柏の葉キャンパス駅周辺からの利用者が多い。これは、柏の葉地区に既存の類似施設が少ないことが原因と思われ、同地区にお住まいの親子に対して交流や相談できる居場所づくりとしての開拓ができていると考えている。
なお、当該事業については、毎月の利用状況が順調であることや月に30件程度の子育て相談があることから、乳幼児期の子育て家庭のニーズに対応した事業としてスタートを切ることができたとも考えている。今後は機会を捉えてアンケートを実施するなど利用者の意見を確認しながら、さらに事業の質を高めていきたい。子供が幼稚園や保育園、小学校に通い、地域社会とのつながりが生まれやすくなる前の段階である乳幼児期の子育て家庭は、地域において孤立しがちな傾向がある。このようなことからも、こども部としては今後も利用者のニーズを勘案しながらではあるが、乳幼児期における交流場所と相談機能を有する地域子育て支援拠点を全市的に、バランスを勘案して展開を検討してまいりたい」

平成30年3月7日 同年第1回定例会一般質問より

はぐはぐひろば若柴
〒277-0872 千葉県柏市十余二313-92 TEL:080-7888-2525
月~土 9:30~16:30開館、利用料無料


■関連リンク
子育て支援の拠点を整備を=子育て政策5事業(1)
はぐはぐひろば若柴
お問い合わせフォーム
PAGE TOP