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TX沿線のまちづくり、災害時の復旧対応など=6月議会振り返り

年末に際し、2022年の市議会での活動を振り返ります。この項では、6月議会について。
6月3日から22日、柏市議会第2回定例会(6月議会)が開かれました。私は13日に登壇し、質疑並び一般質問を行いました。今回の主な質問は下記。
具体的で分かりやすいまちの将来像を
ムクドリ被害軽減策を実施 柏の葉キャンパス駅
最大限の効果と細心の注意を=ポイント還元キャンペーン
電子図書館の導入で読書教育の推進を
地域防災力の維持 機能別消防団員制度へのとらえ方は?
災害対応は「復旧」までを視野に
2022年6月議会 記事一覧
質問の中から、電子図書館の導入は後の9月議会で予算が付き実現。災害時の復旧対応についても、次期「廃棄物処理基本計画」など各種計画に盛り込む方向で議論が進んでいます。
まちの将来像については、つくばエクスプレス沿線(柏の葉、柏たなか地域など)のまちづくりについて、行政や関係者の目線ではなく、実際に住んでいる住民にイメージできるような具体的な方針を示すよう求めました。
私が3月議会で提案したポイント還元キャンペーンは大好評をいただき、30億円以上の経済効果を生みました。柏の葉キャンパス駅のムクドリ対策と消防団については、継続的な課題として取り組んでおります。

議案は全議案が可決。上記のポイント還元事業に関する12億円などが盛り込まれた補正予算についても全会一致で可決され、比較的穏やかな議会となりました。

また、全国市議会議長会より議員在任10年の永年表彰をいただきました。10年間のご支援・ご指導に感謝申し上げますとともに、今後も市政発展のため努力を続けてまいります。



■関連リンク
議長就任、電子図書館など実現=9月定例会振り返り
出産・子育て給付金に関する補正予算など可決=12月定例会
円谷のりひとHP 議会・活動報告など

ムクドリ被害軽減策を実施 柏の葉キャンパス駅=TX沿線重点施策(5)

――2021年12月議会でも質問したが、柏の葉キャンパス駅のムクドリ被害対策についてお伺いする。ムクドリは6月頃から徐々に街路樹などに飛来し、群れを形成して、ねぐらを作って生活するので、これから被害が拡大する季節を迎える。早急な対応をお願いしたい。

都市部長「柏の葉キャンパス駅のムクドリの対策については、22年6月下旬からムクドリが止まれる枝を減らすことを目的として、街路樹の戦略的な剪定を行う予定だ。駅前においては、歩行者へのふん害軽減策として21年度に一定の効果があった歩道上の街路樹を中心に剪定を実施し、ムクドリを駅前ロータリーの中央の街路樹に集める対策を引き続き行っていく。また、剪定以外の新たな対策の実施についても柏の葉アーバンデザインセンターと市の関係部署でムクドリ対策会議を開催し、他対策の情報共有や様々な方法を検討してまいりたい」

柏の葉キャンパス駅西口ローターリーの街路樹にムクドリが集まる様子(22年7月撮影)

2022年6月13日 同年第1回定例会質疑並びに一般質問より

■関連リンク
ムクドリ被害の軽減策を 柏の葉キャンパス駅=TX沿線重点施策(2)

最大限の効果と細心の注意を=ポイント還元キャンペーン

 柏市では、令和4年8月1日~9月30日までの2か月間、「おいでよカシワニ!柏市でおトク。最大20%戻ってくるキャンペーン」を行っています。コロナ禍における経済政策で、キャッシュレス決済によるポイント還元事業です。(詳細はこちら=柏市HP)。先の議会で「夏こそ事業者支援の実施を」と提案しましたので、実施は歓迎するところですが、最大限の効果を得るための工夫と細心の感染症リスク回避が必要です。以下は6月議会における質疑の要旨。



対象店舗はこののぼりが目印

――コロナ禍において、いまだ厳しい市内の経済状況を考えると、一般的にインフルエンザなどの感染症リスクが減る夏期こそ事業者支援事業を実施すべきだと3月議会で質問した。今般12億円という大規模な補正予算が計上され、キャッシュレス還元事業を実施することを歓迎する。前回は(感染拡大の影響で)途中打切りとなってしまったが、そのときの反省点も生かしながら実りある事業にしていただきたい。
 今回は飲食店のみならず小売の事業者まで対象を拡大するとのことだが、同事業への参加の呼びかけはどのように行っていくのか。


経済産業部長「前回、令和3年12月から令和4年1月に対象を市内飲食店に限定し、同様の事業を実施したが、指摘のとおり飲食店における新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から事業を早期終了した。今回は、マスクを外す機会が少ない小売店とコンビニエンスストアを除いた全業種を対象とすることなるため、市内事業者及び来店者の方に感染予防対策を講じていただくなど感染リスクを抑えた上で期間内の事業継続が可能なよう努めてまいる。
 事業への参加呼びかけについては、広報かしわや本市ホームページ、ツイッターによる情報発信に加え、商工団体や事業者団体等と連携し、各団体の会員企業をはじめとする市内事業者への周知に努める。加えて、 キャッシュレス決済事業者には新規参加事業者を対象とする説明会の開催や個別の店舗訪問等を実施していただく予定だ。

―こうしたポイント還元事業やプレミアムつき商品券の販売はもともと体力があり、利用者の多い大規模事業者や大手チェーンに恩恵が偏ってしまう傾向が見受けられる。個人や小中規模の事業者にも十分に成果が行き渡るような工夫が必要かと考えるが、市の方策は。

経済産業部長「事業の恩恵が大規模事業者に偏る傾向があるという指摘だが、過去に実施したプレミアム商品券においてもそのような傾向があった。今回、対象となる事業者に対しては、すべての店舗にのぼりやポスター等の販促物を配付する。それらの活用を含めて各参加事業者からの積極的な情報発信をお願いするとともに、市としても商工団体や事業者団体等と連携し、個人、中小の事業者においても売上げ回復に資するよう事業の周知を行っていく。

2022年6月13日 同年第1回定例会質疑並びに一般質問より

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――夏季は一般的にインフルエンザ等の感染リスクが低下するので、こうした消費喚起事業を行うべきと申し上げたが、感染が拡大する可能性もある。その場合、前回のように早期終了することもありえるのか。

商工振興課長「前回は飲食店のみが対象で、感染リスクが高いとされていることを受け国・県の方針に従い途中終了した。今回は生活に必要な物資を購入できる小売店も対象となっており、現時点では早期終了の可能性は検討していない」

――リスクという点では、飲食と小売りは確かに違うといわれているが、飲食業のみ中止ということにならないか懸念する。

商工振興課長「国や県の感染症に対する対応方針に沿って実施することになるが、この期間内に飲食店のみ早期終了ということはないと見込んでいる」

――効果が広く行きわたるように実施していただきたいと思うし、感染状況もしっかりと鑑みて臨機応変な対応をお願いしたい。

2022年6月20日 建設経済委員会より


■関連リンク
柏市キャッシュレス決済ポイント還元事業の実施について(令和4年6月30日発表)
夏こそ事業者支援の実施を=コロナ禍における経済対策

電子図書館の導入で読書教育の推進を

――昨年パソコンやスマートフォン、タブレットなどで電子書籍を借りられる電子図書館が全国で倍増した。コロナ禍であり、図書館へ足を運ぶ必要がないことが大きな要因と思われるが、その利便性はいわゆる活字離れの抑止、読書教育の推進という点でも見逃せないものだ。従来の図書館に加え、電子書籍の貸出しを進めていくべきと考えるが見解は。

生涯学習部長「電子図書館は、電子出版制作・流通協議会によれば2022年4月現在、306自治体で導入されている。昨年4月からの一年間では104自治体で新たに導入されており、急速に増えている。これまで課題だった提供されるタイトル数が少ない、ベストセラーが提供されない、新刊のタイトルが提供されにくいといったコンテンツについても徐々に改善してきている。コロナ禍で外出を控える方も多い中で、電子図書館の貸出し冊数は増加しているものと考える。
 なお、非来館型のサービスである電子図書館は、いつでも誰でもどこからでもアクセスできる利便性に加え、文字の拡大、縮小が可能で、読み上げ機能も備えたものもあるため、高齢者や障害者の方にとっても大きなメリットのあるサービスだ。このような認識の下、本市においても電子図書館の導入に向けて検討し、ウィズコロナ時代のサービス提供や多様な市民への情報保障の観点から市民の学びや読書活動を支えてまいりたいと考えている。

――以前、質問した際は、公共図書館向けの魅力的なコンテンツが限定的だというような話だったが、今の答弁だとかなり改善されているということか。

生涯学習部長「コロナ禍の影響かもしれないが、ここのところかなり充実している」

――電子書籍を貸し出すことの利点は十分に御理解されていると思うので、ぜひ進めていってほしい。

2022年6月13日 同年第1回定例会質疑並びに一般質問より

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図書館の充実化 蔵書の購入費の増額を=議会報告
図書購入の増加を要望 学校給食は優良業者の優先を=決算委員会

地域防災力の維持 機能別消防団員制度へのとらえ方は?

 災害や火災時に力を発揮する消防団ですが、全国的に団員が減少傾向にあり、特に平日の日中の出動人数の確保が難しくなっています。柏市においても同様の課題を抱えており、地域防災力の維持のための施策が必要です。そこで、全国的に導入する自治体が増えている機能別団員制度について、どのようにとらえているか質問しました。以下はその要旨。

――広島市では、団員が減少傾向にある消防団の後方支援をする機能別団員制度を導入した。国も全国の自治体に導入を促している同制度だが、柏市においてはこのような制度についてどのようにとらえているのか。

消防局長「機能別消防団員は、通常の団員と違って職務上の能力や事情に応じて時間や特定の活動にのみ参加する団員で、 地域住民が消防団活動に参加しやすく、より多くの団員を確保するために設けられた制度だ。広島市の場合は、平日の日中に限定した消防団活動に携わる機能別消防団員の導入であり、火災の半数は日中に発生している中、会社員の団員が増加し、平日の日中は居住地から離れた場所で働いており、平日日中の団員確保を図ったものだ。また、そのほかで導入されている機能別消防団員の状況は、大規模災害発生時の避難誘導や支援活動に限定した団員や消防で実施するイベント等で広報活動を行う広報分団などがある。
 本市では、機能別団員制度としては導入していないが、平成26年に女性分団を結成し、通常の火災には出動はせず、大規模災害時の支援や救急講習などを行い、活動の幅を広げている。さらに、消防団の位置づけではないが、元消防職員、団員の46名で結成している柏市消防協力隊が市内で大規模災害が発生した場合には、消防と連携して支援活動を行う体制を整備している。全国的に見ても機能別消防団員はその地域の実情や特性に合わせて組織されており、他市の取組も参考にして本市の災害発生時の課題と照らし合わせた上で消防団とともに機能別消防団員についても検討し、消防団員数の確保に努めてまいる」

2022年6月13日 同年第1回定例会質疑並びに一般質問より

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地域防災の要・消防団の処遇改善=22年度予算ピックアップ

災害対応は「復旧」までを視野に

――新設された危機管理部の具体的な取り組みは。

危機管理部長「2022年の4月から、新型コロナ対策の職員応援体制や対策を行うためのシステム導入等に関する関係部局との協議や検討の中で、調整役や統括役を担ってきた。また、柏市コロナフォローアップセンターを開設したこととともに「柏市業務継続計画感染症編」を策定し、間接的に市民の生活と健康を守る一助になれたのではと考えている。
 複合災害の備えとしては、防災安全課が自然災害や武力攻撃事態に伴う対策本部を担い、危機管理政策課がそれ以外の危機事象に関する対策本部を担うことを明確にし、迅速に対応できる体制を整えている。また、コロナ過で地域の防災活動が停滞していたが、本来業務の柱である地域防災力の回復、さらに今後の向上を目指し、市民との活動を再開した。

――防災、減災はもちろん大事だが、たとえば震災ならば崩れてしまった建物やがれきを片付けないと復旧作業が進まない。並行してまちの機能をスムースに回復、復旧させるための方策にも取り組んでほしい。

危機管理部長「まず発災への速やかな対応、72時間をとにかくもたせるということを基本にしているが、復興・回復も大事になっていくと考えている。特に復興の第一歩となる廃棄物の処理や、近隣・遠方の市からの受援体制を大切にし、併せて県、国、自衛隊など様々な方からの力添えをいただきながら復興、復旧に努めてまいりたいと考えている。

――発災から72時間の食料や電力の確保などはよく話題になるが、その先の復旧のところはなかなか議論にならず、懸念を感じている。復旧作業には民間の手も必要で、災害協定なども進めていただきたいと思うが、見解は。

危機管理部長「まさに協定は大切だと考えている。例えば廃棄物関係であれば、廃棄物処理業者と協定を結んで速やかに処理を行っていくことや、必要な備蓄品に関しても様々な業者と協定を結んで、有事に備える体制を整えている。今後もこのような取り組みを以前にも増して進めていきたい」

2022年6月13日 同年第1回定例会質疑並びに一般質問より

■関連リンク
地域防災力の維持 機能別消防団員制度へのとらえ方は?
民間の力を生かせる災害協定の締結を
震災時のライフライン確保 ガス管・水道管の状況

具体的で分かりやすいまちの将来像を=TX沿線の重点施策(6)

――つくばエクスプレス沿線施策、北部地域総合整備事業の推進方針についてお伺いする。同地域のまちづくりは、人口減少が進む中で柏市の将来を左右する大きな要素だ。そんな中、都市の活力と環境の調和を目指すまちという基本理念の下、「緑園都市構想」や「柏の葉国際キャンパスタウン構想」が掲げられている。その大綱的な部分に異議を唱えるということではないが、今後のまちの姿をイメージできるさらに具体的な方針を出していただきたい。
 例えば構想の中にある都市の活力とは何を指しているのか。駅前の活況のことなのか、公園などが人でにぎわうことなのか。
 例えば適切な公共公益施設整備の公共公益施設とはどういった施設を指すのか。
 北部整備事業の推進方針にこれから求められるのはより具体性のあるまちの将来像だと考えるが、今後どのように計画の詳細をつくっていくのか。


都市部長「昨年度、施行者である千葉県において、柏北部中央地区における土地区画整理事業の施行期間の延伸と事業費につきまして事業計画変更が行われたことから、今回、本推進方針についても計画期間と事業費を変更した。北部地域では、柏たなか駅を中心とした土地区画整理事業が平成29年6月をもって完了し、全ての土地の利用が開始されたことや柏の葉キャンパス駅を中心とした土地区画整理事業においても駅周辺の整備がほぼ完了し、既に立地しているわが国有数の2つの国立大学キャンパスや研究機関に加え、高質な公共空間の創出、商業施設、病院、新たな研究施設、そして住宅による定住人口が増えたことで昼、夜ともに様々な人の往来が増え、基本理念にある都市の活力が生まれていると考えている。
 また、土地区画整理事業による都市基盤整備の進捗に併せて学校や公園、周辺 道路などを公共公益施設として整備を進めている。本推進方針の内容については、北部地域の土地区画整理事業とそれに関連する公園、学校、上下水道等の整備に関わる費用と今後の見通しを示しており、まちの将来像としては柏市都市計画マスタープランにも示すとおり、柏の葉キャンパス駅周辺を都市拠点として位置づけ、商業、業務、学術、文化機能が集積され、魅力的な都市空間が形成されたまち、また柏たなか駅周辺においては生活拠点として地域住民が日常生活を送る上で中心的な役割を担うまちとなっております。
 また、柏の葉エリアでは千葉県、東京大学、千葉大学、柏市で策定した柏の葉国際キャンパスタウン構想の中で柏の葉キャンパス駅を中心としたスマートシティーの実現が掲げられており、その形成を目指す柏の葉スマートシティー実行計画が民間企業を含めた柏の葉スマートシティーコンソーシ アムにより策定をされております。この実行計画では、モビリティー、エネルギー、パブリッ クスペース、ウエルネスの4つのテーマを掲げており、例えばパブリックスペースのテーマではAIカメラセンサーを活用したまちの見守り、安心、安全サービスにより快適に回遊できる都市空間の形成を目指しております。市といたしましては、公民学が連携し、先進的なまちづくりに取り組むことでまちの魅力を向上していきたいと考えております。

――緑園都市や国際キャンパスタウン(という用語)にしても、 まちづくりを俯瞰的に見ているわれわれのような立場からすると意図が分かるが、一般の市民の方からするとこれからどういうまちになっていくのか想像しづらいと思う。例えば買物が便利になりますとか、閑静な住宅街を目指しますとか、こういう施設を造っていきますという一般的な言葉を使ってまちの将来像を示してほしい。

都市部長「これまでは緑園都市構想、またはキャンパスタウン構想をつくっている最中で、まだまだあのエリアに市民の方が住んでいらっしゃらない状況で高い目標、構想を設定してきた。ここ数年、市の内部で話をしている中では、今議員がお話しされていた住んでいる方の目線の部分の情報発信というのは足りていないので、市として情報を出していかなければいけないと考えている。キャンパスタウン構想を一緒に公民学でやりながら市民の目線の部分の情報というのはしっかり市のほうで発信できるように工夫をしていきたい」

2022年6月13日 同年第1回定例会質疑並びに一般質問より

■関連リンク
柏市北部地域総合整備事業の推進方針(柏市HP)
ムクドリ被害軽減策を実施 柏の葉キャンパス駅=TX沿線重点施策(5)
柏の葉地区に近隣センター設置を=TX沿線重点施策(4)
一歩踏み込んだ要望活動を 柏たなか駅前交番=TX沿線重点施策(3)
ムクドリ被害の軽減策を 柏の葉キャンパス駅=TX沿線重点施策(2)
交通危険個所の総点検を=TX沿線の重点施策(1)
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