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地域防災の要・消防団の処遇改善=22年度予算ピックアップ

 災害時の被害軽減のため、地域防災を下支えする消防団の役割は、災害の多発化に伴い多様化しています。私も団員のひとりであり手前味噌ではありますが、火災のみならず、台風や豪雨、さらには震災の懸念などが強まる現在、求められる役割も増しています。
 一方で、全国的に消防団のなり手不足が深刻化しており、国は団員の処遇等の改善に関する基準を全国に通知しました。これを受け柏市も予算を増額し、2022年度予算では133万円増額の4654万5000円が計上されました。処遇の改善は団員の士気の向上や家族等の理解につながり、ひいては人員の確保にもつながります。処遇の改善のみならず、地域における理解促進に向けた施策に取り組んでまいります。以下は市議会における質疑の要旨。

――消防団の処遇改善ついて、22年度予算案ではどのように反映されているか。

消防局長「令和3年(21年度)第3回定例会で柏市非常勤特別職職員報酬等支給条例の一部を改正し、同4年4月1日から報酬額を増額した。火災などの災害出場の際、4時間以上の活動の場合は7000円から8000円に、4時間未満は3500円から4000円に増額となった。今回の改正に伴い、増額分を予算案に反映し、計上している。

2022年3月11日 同年第1回定例会質疑並びに一般質問より


22年度予算について(円谷のりひと市政・議会報告より)

一歩踏み込んだ要望活動を 柏たなか駅前交番=TX沿線重点施策(3)

 2016年から質問・要望を続けている柏たなか交番の設置ですが、「市も(実際に交番設置を所管する)県警本部も交番、または駐在所の設置を検討する必要がある地域のひとつと認識している」(18年3月議会)とされながらも、具体的な進捗はありません。柏市における直近の交番設置は12年の柏の葉キャンパス交番で、要望開始から設置まで8年かかったように、簡単なものではありません。しかし、ここまで進捗がないのであれば、独自に用地の調査を行うなど、市としても一歩踏み込んだ要望活動、はたらきかけを行なっていくよう強く要請しました。市はこれ受け「同交番の設置は長年の課題となっており、実現に向けて一歩踏み込んだ取組が必要と考えている」との回答でした。今後も市担当と力を合わせ、早期の実現に向け取り組んでまいります。以下は質疑の要旨。

――(これまでの質問した)16年3月議会の段階で「早期実現に向けて、千葉県警察本部には積極的に働きかけてまいりたい」との答弁があった。18年3月議会では「「市も県警本部も交番、または駐在所の設置を検討する必要がある地域の一つと認識している」、さらに19年年3月議会では現状でできる防犯、治安維持対策が示されたが、(交番設置の)具体的な進捗はないとのことだった。こうして順を追って答弁を確認すると、遅々として進んでいない。独自に用地の調査を行うなど、一歩踏み込んで要望、働きかけを行ってほしい。

総務部長「円谷議員には、長年にわたり柏たなか駅前交番について質問をいただいているが、進展がなく申し訳なく思っている。市としては、柏たなか駅周辺の交番設置の必要性は十分認識しており、千葉県警察本部に働きかけを行ってきた。しかしながら、県警本部は駅周辺の状況を見ながら設置の要否を検討するとのことで、具体的な協議は行っていない。
 柏市の直近の交番設置は、12年の柏の葉キャンパス駅となっており、要望から約8年を要した。柏たなかの交番に関しても、長年の課題となっており、実現に向けて一歩踏み込んだ取組が必要と考えている。柏警察署との協議を進めていく中で関係組織との連携も図り、県警本部に対してこれまで以上に積極的な働きかけを行ってまいりたい」

2022年3月11日 同年第1回定例会質疑並びに一般質問より

■関連リンク
「柏たなか交番」設置に向けて(2016年3月議会)
【柏たなか交番】県・市ともに「必要」(2018年3月議会)
【柏たなか交番】設置への状況と治安維持の代替策(2019年3月議会)

夏こそ事業者支援の実施を=コロナ禍における経済対策

 昨年12月1日から本年1月末日に、市内飲食店でキャッシュレス決済を利用するとポイントが還元される「柏版GO TO イート」が実施されました。コロナ禍において経営状態が悪化した市内飲食店に対する消費喚起、取引事業者の経営回復を狙った同事業は、一定の効果があったものの、感染拡大に伴うまん延防止重点措置の適用などを受けて早期終了。満点といえる効果を得るには至りませんでした。そこで、一般的にインフルエンザ等の感染症が減少する夏季こそ、こうした経済支援事業を実施するべきだと提案しました。市からは「商工団体や事業者にしっかりお話を伺うとともに、経済情勢や経営状況の把握に努め必要な施策を検討、実施していく」との回答がありました。引き続き、商工団体の皆様と意見交換などをしながら、実現に向けて取り組んでまいります。以下は市議会における質疑の要旨。

――市内飲食店におけるキャッシュレス還元事業「柏版GO TO イート」は、一定の成果をあげたとのことだが、感染拡大ため途中打ち切りとなり、満点といえる成果ではなかったと見受けられる。依然として厳しい市内の経済状況を鑑みると、一般的にインフルエンザ等の感染が減少する夏季こそ、こうした事業を実施すべきと考えるが、予算編成において検討は行ったか。

経済産業部長「同事業に関しては、当初は2021年12月1日から3か月を予定していたが、年明けより新型コロナウイルス感染症の新規感染者が大幅に増加し、柏市にまん延防止重点措置が適用されたことを受け、22年1月31日で早期終了した。本事業は、参加店舗約700店、決済総額約6.6億円、ポイント還元約1.7億円で市内飲食店における消費者喚起をはじめ、取引事業者の経営回復にも一定の効果あったと認識している。一方で、本事業の早期終了や(感染拡大における)利用者の自粛、営業短縮などにより、本来期待していた市内経済の回復には不十分な状況と考えている。
 事業者支援の検討は、予算編成の時点でコロナ禍や市内経済の見通しが不透明であり、ご指摘のような季節や感染拡大の相関という検討には至らず、現在も次期経済対策の実施に向け、情報収集や検討を進めている。第6波による影響、第7波の可能性や効果的な実施時期など、今後も様々な視点での検討、整理が必要と考えている。引き続き市内の商工団体や事業者にしっかりとお話を伺い、経済情勢や経営状況の把握に努め、必要な施策を適宜、検討・実施していく」

2022年3月11日 同年第1回定例会質疑並びに一般質問より

不妊治療への引き続いての支援を

22年4月より、不妊治療の保険適用が開始されました。21年の出生数約84万人のうち、不妊治療による妊娠は約6万人。多くのご夫婦が不妊に悩むなか、金銭的な負担が軽減される同制度の開始をまずは歓迎するところです。しかしながら、それでも約15万円の負担が見込まれ、引き続いての支援が必要だと考え議会にて質問いたしました。以下は質疑の要旨。

――(22年4月から開始される)不妊治療の保険適用についてお伺いする。22年3月までは、助成金制度によって支援を行っているが、保険適用によって市民の負担がどれくらい軽減されるのか。また、それに伴う市の支援体制は。

保健所長「(22年3月現在)柏市では国の制度に基づき、高額な医療費の負担軽減を図るため特定不妊治療に要する医療費の一部を助成している。対象となる治療法は体外受精及び顕微授精で、助成額は1回の治療につき最大30万円までだ。治療費等のばらつきはあるが、令和2年度の国の調査では体外受精の平均費用は約50万円とされており、これを例に申し上げれば現在の助成制度では20万円、4月以降の保険診療では15万円が自己負担額ということになる。ただし、保険診療では診療内容ごとに診療報酬が定められているため、これまでの自由診療と同一の診療内容でも医療機関によっては治療費自体が変わる可能性もあり、一概に比較することは困難だ。しかし、保険適用後は診療内容及び診療報酬の点数が定められることにより治療が標準化され、原則としてどの医療機関でも同一の診療内容を同一の費用で受診できるようになる。なお、令和3年度中に治療を開始、年度をまたいで令和4年度中に終了した方などのうち、現行制度の助成要件を満たす方を対象に1回分のみ助成するなどの経過措置を設ける予定だ。高額な不妊治療費用に対する助成制度は、保険適用の移行により一応の役割を終えることとなったが、令和4年度については保険診療となる治療と助成制度の対象となる治療が混在することとなるので、混乱を招くことなく適切な御案内ができるよう努めていく」

――(保険適用になると)15万円から20万円ぐらいかかり、そこから医療費公助などがあって負担が少なくなっていくということだと思うが、それでも何万円という負担が出てしまう。確実に1回で妊娠できるわけではなく2回、3回と続けなくてはならないとなると、やはり大きな負担になってしまう。気軽に不妊治療が受けられるぐらいの額にしないと、少子化対策も進んでいかないと懸念する。

保健所長「保険診療に移行することによって標準化が図られる、場合によってはいろんな治療法が普及することによって診療報酬が下がるということが間々あり、いろいろな経費が下がる、1回の単価が下がるということが考えられるので、まずは保険診療の制度が動き出してから結果を見たいというふうに考えている。

――いずれにしても、何らかの支援の方法が必要かと思う。お金の問題だけじゃなく、相談体制などもきちんと構築していただきたい。

2022年3月11日 同年第1回定例会質疑並びに一般質問より
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